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NYの住民・物書き、安部かすみによる日々のアレコレ 出会い 取材こぼれ話  小粒ながら日々がんばっています


by Kasumi Abe

今こそ出発点

53丁目にNY公立図書館がある。
ここには少なけど、日本の書籍コーナーもある。

…という情報は、3年前ぐらい前から知ってはいたんだけど、
なかなか行く機会を逃していた。
でも、先月になって「就職したら、ますます時間がなくなる!」と思い
重かった腰をやっとあげ、行ってきました。

あくまでもアメリカの図書館なので、日本の最新の本などはないし冊数もやはり少ないけれど、
じっくり見ていくと、今まで興味はあったがタイミング逃して
読まず仕舞いだったような本が並んでいたりする。

そこで借りた本で最近感動したのが、このブログのライフログとしても
右側で紹介している、大平光代著「だから、あなたも生きぬいて」

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彼女の存在はなんとなく知っていたけど、
完璧スルーしていたこの本。
これも一つのご縁だと思い、読んでみたわけです。

中学校のイジメが原因で割腹自殺、非行、16歳で暴力団組長の妻になった大平さん。
その後、義父と出会って更正し、中卒にも関わらず司法試験“一発”合格で弁護士になったすんごい女性です。

彼女の人生を知ると、世の中には不可能という文字はないということを
改めて教えてくれます。

本の最後の方に、義父・浩三郎氏が光代さんが人生をやり直そうと思ったときに
送ったという、ある方の言葉が記されてありました。

それが自分の今の状況にもぴったり合っているし
私だけではなく、人生のどんなシーンにも合う素晴らしいメッセージだと思ったので、
ここで皆さんともシェアしたいと思います。

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「今こそ出発点」

人生とは毎日が訓練である。
わたくし自身の訓練の場である。
失敗もできる訓練の場である。
生きているを喜ぶ訓練の場である。

今この幸せを喜ぶこともなく
いつどこで幸せになれるか
この喜びをもとに全力で進めよう

わたしく自身の将来は
今この瞬間ここにある
今ここで頑張らずにいつ頑張る

京都大仙院 尾関宗園

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「今こそ出発点」。
就職して1週間の私にぴったりの言葉です。

実は仕事のオファーをいただいたときは
「昔やったことの延長だし」と少々高を括っている自分がいました。
が、実際に動き出してみると、以前やったものとはいろんな違いがあることに気づきました。

その違いは、
日本とアメリカ、地方都市とメジャー都市、
雑誌と新聞、有料誌と無料タブロイド紙、会社の規模や編集部の人数、
会社の歴史や社風の違い、自分のキャリアや年齢の違い…と
様々な要素が絡んできていますが、とにかくいろんなことが違いすぎます。

だから「もう編集職はこりごり」と思っていた自分は、
いい意味でも悪い意味でも、「井の中の蛙」だったってことですね。

さぁ明日は月曜日。また新しい1週間をがんばりまっす!
Commented by banban0501 at 2007-04-09 16:54
ご紹介の本 出版されたときにすぐに読みました。なんてスゴイ人生でしょう。実は彼女が割腹自殺をはかった川原は我が家からも近いのです。それだけの興味でよんでみて 内容に驚きました。その後の彼女は 大阪市の助役も請われてつきましたが いろいろな軋轢の中 辞任しましたが 彼女なりの 新しい生き方を今はされています。本当にスゴイひとです。与えられた人生ですから チャレンジすればするほど 傷つくこともありますが 得るものの方がもっと あるはずですよね。頑張ってくださいね!
Commented by はま犬 at 2007-04-10 00:23 x
相変わらず凹みがち日々だった私にとって、ずーんと心に響く言葉でした。
この本は噂には聞いてたけど、どうせまた「自分を愛してあげよう」だの「前向きに」だの、通り一遍な癒し本なのかと勝手に思っていました。
絶対読んでみます。

私も最近、自分がいかに「井の中の蛙」だったかを思い知らされる日々です。
東京に来てしばらくは、P社とのあまりの違いに呆れたり、これの何が「編集」なの?とか傲慢に思ってた時期もあったんです。
でも、福岡に、そして主に「タウン誌」に特化していた、しかも個性的な社風を持っていたP社と、日本のあらゆる出版物の大多数を出している東京全土とが簡単に比べられるわけがない。
相変わらずP社のやり方を思い出し「えっ?」と思うようなことも多いけど、最近少しずつ、あーこの会社はこういうやり方なんだな、ここではこれが「編集」なんだな、などと思えるようになってきました。
それでもピンキリの東京。いくらなんでも何じゃこりゃ、なんてことも多いですけどね。反対に学べる場もいくらでもある。
前向きになることでものの見方が変わることが、最近とてもおもしろく感じています。
Commented by EMKB at 2007-04-10 04:51
この本、出版されたときから興味があったのに、まだ読んだことがないんですよね。「今こそ出発点」、心に響きますね。いつかぜひ読んでみたいです。
Commented by abekasu_ny at 2007-04-10 11:03
banbanさん

私も彼女が大阪市の確か助役を辞任した話を聞きました。なんでも“元”暴力団関係者ということで、お役所から物言いが出たそうですね。
彼女はそこらへんの役所の人より、イジメられている子たちの気持ちが一番わかると思うのに。この話を聞いて、本当にがっかりしました。

話しはすこし飛びますが、元住友銀行で、のちにアメリカのゴールドマンサックスに転職したバンカーの男性が言ったことを思い出しました。

Commented by abekasu_ny at 2007-04-10 11:03
(つづき)彼曰く、「失敗してこそ、学びがあるもの。しかし失敗に対して、
日本は厳しく、アメリカは寛容な国だということを、働きながら感じてきた」と言うのです。

(以下、原稿抜粋)
「GSで驚いたのは、失敗や間違いに対する寛容さでした。人は誰でも間違う、重要なのは間違えた後にどう改めるかということです。例えば住友では100億円稼いでも百万円焦げ付きを作れば出世が終わったけれど、GSでは大事な仕事をいくつか落としたとしても、それを超えるような大きな案件を決めればそれで良しだった。これはGSのみならず、アメリカ社会全体に言えることなのかもしれません。 減点主義の日本とセカンドチャンスを与えてくれるアメリカ…(続く)」。

話しは戻って、大平さんは最近、ダウン症のお子さんを出産されています。あえて検査はしなかったそうです。そして「親としての決意は1秒もあればできた」と言っています。それを聞いたときも、
「すごい人だな、この人」と思いましたよ。

長くなりました…。
Commented by abekasu_ny at 2007-04-10 11:14
はま犬ちゃん

ただの波乱万丈記ではなく、彼女の人生を通して教わったのは、人生への果てしない可能性です。一瞬、「がんばれば、私も弁護士になれるかも」なんてバカなことを思い、現在ロースクールに通っている弁護士志望の友に話すと笑われましたが…。まー、確かに彼女のケースはは、例外中の例外でしょう。
でも、なんでもトライする価値がある、人生はそんなに捨てたもんじゃないってことを教わった気がします。

同じ出版業でも、会社によって違う。私もよくこちらにきて思ったことです。P社は、基本がしっかりしていてあとはイージーゴーイングだったから仕事はハードだったけど働きやすかったし、学ぶことは本当にたくさんあったよね。私もあの会社で新人時代が過ごせて本当ラッキーでした。
でも、所詮昔には戻れないし、「昔はよかったよね」なんて言ってられないんで、今ある中から新しいことを学ぶ(たまに反面教師で)っていうのは、とても前向きな考え方だと思います。お互いがんばろう!
Commented by abekasu_ny at 2007-04-10 11:16
EMKBさん

私は別にまわし物でもなんでもありませんが、機会があればぜひ読んでみることをオススメします(図書館に行けばありますし)。
内容は中学生ぐらいの子にも読めるように、字も大きく、漢字にふりがなもふってあります。1~2日あれば読めますよん。
Commented at 2007-04-13 02:36 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2007-04-15 17:40
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2007-04-22 02:00
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2007-04-22 07:16
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by abekasu_ny | 2007-04-09 13:17 | その他の仕事のハナシ | Comments(11)