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NYの住民・物書き、安部かすみによる日々のアレコレ 出会い 取材こぼれ話  小粒ながら日々がんばっています


by Kasumi Abe

「いつから英語がわかるようになりましたか?」とよく聞かれます

アメリカに住んでいるからと言って、自然に英語ができるようにはならない。

また、マインドや文化的なもの(例えばアメリカのパーティーや高級レストランに行って紳士的なスマートな振る舞いができるようになること)もアメリカに住んでいるからと言って、自然に身につくものでもない。

例えば英語習得が目的なら、日本語環境を断って日本語を聞かない喋らないなど、楽な環境を制する努力はある程度必要になってくるかも。

またこれも普段から思うけど、何事も習得は数えきれないくらいの失敗の積み重ねが伴うので、否定されたり恥をかくのが苦手な人は、大人になってからの外国語習得はヒジョ〜に時間がかかるかも、です。

日本から来た人に「いつ英語がわかるようになりましたか?」と聞かれることがあって、私もさて、いつからだったけ?と考えていたんだけど、「いつから」という明確な時期は特に見当たらなかった。

17年にいて「時間の経過と共に少しずつ」という答えだ。

ただし、自分でもあの時こうだったとか、これは役立ったと思い出すことがあるので、いくつかシェアしたい。

まず一番初めは、1990年にホームステイをしていた家族が02年の再渡米後もよくケアをしてくれて、やれベビーシャワーだの感謝祭だのクリスマスだので度々招待してくれた。行くと必ず、いつまででもいていいよ、と言われる。だから再渡米後は学校が始まるまで、数週間このお家にいたんだった。ここでは当然、誰も日本語が話せず、ニューヨーカー独特の早口でまくしたてられるものだから、初めのうちはチンプンカンプンだったけど、特にホストマザーはそこらへん全然気にしない陽気な人で、私の方もまったく緊張しなかった。(家に行くと、冷蔵庫のものを何でも飲み食いしていいよって言われます笑 日本だったら遠慮するところですが、アメリカ人がこういうことを言う時は本当にそういうことなので、遠慮なくいただいています笑)

2番目は、渡米して1年ちょっとでネイティブスピーカーの親友ができたこと。その人は以前日本で英語の教師をしていたので、「英語を教える」ことに関してはプロだったというのもある。知らない言葉やアメリカの制度、文化については、その友人からたくさん学んだ。新しい言葉を教えてもらっては「単語帳にメモして」と口を酸っぱくするほど言われた。今でもとても感謝をしている。

別の仲の良い親友は日本語を勉強している日系人で、彼女は発音矯正のプロだから、今でもお互いランゲージエクスチェンジをしている。彼女のおかげで発音も矯正された。

ルームメイトにアメリカ人を選んだのも良かった。渡米すぐは日本人女性と2人で家をシェアしていたけど、家の中は日本語環境で留学の意味がないと思い、1ヵ月くらいで出て行き、アメリカ人3人とシェアする家に引っ越した。そのうちの一人がおしゃべりで陽気なニューヨリカン(プエルトリコ系ニューヨーカー)のエンジェルって人で、pain in the assなど、スラングをたくさん教えてもらったんだったっけ笑。

これはとても不思議なんだけど、ある日エンジェルとキッチンでおしゃべりしているときに「あれ?エンジェル、日本語が話せるんだ!」と思ったことがあった。
意味わかります?これは私の脳の勘違いで、私が英語を話しているエンジェルの言葉がスラスラとわかった瞬間に、そう思ったのだった。

英語取得においてこれは良かったと今でも思う最大のことは、企業に就職し、英語で仕事をしたこと。つまり仕事を通じて英語を学んだということだった。

今でこそ笑い話だけど、本当に最初の最初のころ、取材でスムージー屋さんの女性スタッフにインタビューをして、彼女の言っていることがよく飲み込めず、あからさまに呆れられたこともある。また別のカフェのGMの年配女性との取材は「日本からはるばるようこそ」と温かく対応してもらったけど、「(大変だけど)今からどうぞ頑張ってくださいね。応援しているわ」という感じで、見送られた事もあったな。汗

でも仕事だから、渡米4ヵ月のひよっこでも、会社の先輩に「電話かけて取材アポとって」と言われて「できません」とは言えないのですよ。使えなかったら首になります。できなくてもPush myselfしましたよ。

取材オファーの電話も初めからできる人はいないのです。私もどのように英語で言っていいかわからないから、ネイティブに教えてもらって、セリフを紙に書いて、読み上げていたな笑。でも相手は電話口の向こうでニューヨーカー独特の早口でまくし立ててくる。「???」で冷や汗かいたりはしょっちゅう。

でも私、度胸だけはあったようで、英語がわからないなりにも当初から電磁波とかアスベスト、腰痛などのお堅い記事を担当し、どこどこの大学教授や医者などに取材にのこのこと行っていました笑。もちろん行く前は、専門用語やシステムなど、きっちり英語と日本語で予習し理解してのぞみます。難しいインタビューは録音して、音声を聴きながら原稿起こし。そうすると自分の発音矯正の気づきにもなるので、録音はおすすめ。

何でもそうだけど、電磁波とかアスベストとか腰痛などの取材をしたらそりゃ自信もつくし、その後カフェやファッションの取材は不思議なもので、気持ちに余裕ができるんですよ。私の場合7年働いた出版社で、うち2年は営業で広告を売っていました。アメリカ人相手にもの(広告)を英語で売るというのは、編集で取材するより、さらにシビアな世界。その積み重ね。

私が働いたのは日系の出版社で日本語新聞を作っていたので、オフィス内では日本語環境だったし、これまでずっと日本語で記事を書いてきたけど、まぁそれでも、オフィス外では知らないアメリカ人相手に英語でビジネスをしたのは、英語習得において大きかった。
このTED Talkはおすすめ。日本語訳もあるので、観てみてください。多言語話者は天才ではないと言う言葉を聞いて、私も「英語を学んだようにもう一度学べば、ほかの言語も習得できる!」と一度諦めていたスペイン語にも再挑戦中。


この子もすごい!

こちらの方も参考になりました


今でも英語も(日本語でさえも)わからないことはたくさんあるけど、ちなみに私の友人は、多言語話者を意味するPolyglotという単語を「それ何だっけ?」と私に聞いてきた笑。アメリカ人でも知らない言葉が無限にあると知れば、こちらも気が楽。これからも大いに恥を書きながら、英語とスペイン語(日本語も)の勉強を続けていきますー。



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当ブログ「ニューヨーク直行便」は2019年1月よりnor.(ノアドット)社と提携しています。
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  ブルックリン ニューヨーク ガイドブック

Commented by banban0501 at 2019-10-24 15:14
とても参考になる動画もついてご自身の経験も書かれていて
とても参考になりました
若くない私でも努力努力努力で
英語が少しでも気楽に話せるようになりたいと思いました

これからもこーゆーお話時々してください
Commented by abekasu_ny at 2019-10-25 05:21
読んでいただいてありがとうございます。学ぶこと、お互いに止めずに続けましょう!
by abekasu_ny | 2019-10-24 12:31 | 言語・教育 | Comments(2)