ニューヨークではサービス(特に食べ物の質)にがっかりさせられることが多い

ミッドタウン42丁目(タイムズスクエア)の老舗的存在のライブハウス、B.B.キング・ブルース・クラブが賃料高騰により今月末にクローズするという悲しいニュースが入ってきました。ここは私にとって、生前のB.B.キングのライブを見た思い出の場所でもありました。( 2005年のブログ記事

このような老舗が撤退した後に、何がオープンするかわかりますか?

答えは、超バカ高いミッドタウンの賃料を支払うことができる、つまらない大・大・大資本のお店です。

B.B.キングも大きな資本は入っていたかもしれません。でもそこには文化がありました。2018年のタイムズスクエアに出店できるのは、大抵、世界中どこにでもあるような、キラキラした看板とセンスの悪いインテリア、そして(レストランの場合は)大しておいしくもない食べ物にバカ高いプライスをつけたようなお店でしょう。込められた店主の「熱い思い」などのようなものはおそらく皆無でしょう。

ニューヨークには世界中から観光客が年がら年中大挙して押し寄せますから、だまっていても客が入ってきます。まずいものを出して悪評価をもらっても、潤沢な資金と協力なバックボーンがあるので痛くも痒くもありません。

多くの店では、「お客さんに喜んでもらいたい」というような思いは経営側にもバイトスタッフにもなく、一定のレギュレーションに沿って、ただ適当なものをフィードする(餌のように与える)だけで、ビジネスはうまくまわっていくのです。

だからニューヨークを旅したことがある人は、バカ高いプライスでおいしくないフードにがっかりした経験は必ずあると思います。そして納得するのです。「ニューヨークだからこうなのか〜」

私も先日オープンした話題のフードホール、Urbanspace at 570 Lexで、改めてがっかりしました。ランチ時間、長蛇の列ができている店でチキンサンドをオーダーしましたが、本当に残念なパフォーマンスでした。日本のようななんでもおいしく、しかもデフレ状態の国から来た方なら、そのコスパの低さにさらにがっかりするでしょう。

ニューヨークのシェイクシャックも、今やがっかりフードの代表格です。創業時はたしかにおいしかったのです。でも店が増えすぎました。

忙しすぎるのか、スタッフの教育がなってないのかわかりませんが、バンズが押しつぶされてぺちゃっとなってることが多いし、肉は油っぽいし、、、こっちに住んでいてほかにおいしいハンバーガーがたくさんあるのを知っている感度の高い人は、ほかに選択肢がある限り、まず食べに行かない店です。

私もここでセットに15ドル払うなら、20ドルでもいいから他店のおいしいバーガーを食べに行きます。(過去に書いたシェイクシャックの記事

まぁとにかく最近のニューヨークは、かつてあったような老舗や名店が賃料高騰でどんどん撤退に追い込まれ、替わりに増えているのは大資本の店やブランドばかり。こうやって、移民が作り上げたニューヨークらしさが失われ、つまらないキラキラニューヨーク化がどんどん進んでいるのです。

逆に言えば、古くからの小商いが今でも多いブルックリンが注目されているのは、こういった時代の流れも影響しています。

「ニューヨークだからこうなのか〜」では実はないのです。スタッフの教育をしっかりしておいしいものを食べてもらおうとがんばっている店は、探せばまだ残っています。

老舗は私が来米した2000年初頭には、ローワーマンハッタンやハーレムあたりにたくさんありました。もうほとんどの店が今はないのですが、それでもまだ探せば残っています。例えばマンハッタンだと、アップタウンとかハーレムよりもっと上の方とか、逆にダウンタウンの下の方とか、探せばあるにはあります。ブルックリンにも名店はたくさんあります。

ここに長く住んでいると、だんだんと鼻が利くようになります。店構えや店内の客層(観光客ばかりか、地元の人で賑わっているか)などを見ると、だいたい店の姿勢や味がわかるようになります。

週末、ブルックリン植物園の帰りに、小腹が空いたので良さそうなお店を探しました。あの辺は下町で、昔からある、移民たちが築き上げた郷土料理の商店が今もまだ残っています。(長くなるのでつづきは後ほど)

ニューヨークのレストラン事情
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by abekasu_ny | 2018-04-23 11:04 | | Comments(0)

在NY16年目。日米でのエディター&ライター歴20年。 大きなアメリカ人の中に埋もれないよう、小粒ながら日々がんばっています!


by Kasumi Abe