歴史的名シーンを伝えてきた「声」に逢う

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とある日曜日、ブロードキャスターとして長きにわたって活躍されている、ボブ・ウォルフさんと、
ボブさんに会うためにわざわざ日本からやって来たKさんの、コーディネート兼通訳をつとめさせていただきました。

Bob Wolff

http://en.wikipedia.org/wiki/Bob_Wolff

私はメジャーリーグにあまりアンテナを張っていないので、
恥ずかしながら、ボブさんの名前さえ知らなかったのですが、
1939年以来、テレビやラジオで今も現役でご活躍されているスポーツ・ブロードキャスター。
歴史的快挙としては、56年、ドン・ラーセン投手のワールドシリーズにおける史上唯一の試合で、
後半4イニングの実況をしたことが有名。
95年、野球殿堂博物館からフォード・フリック賞をもらい殿堂入りも果たした。

一方Kさんは、どうしても野球に関わる仕事を諦めきれないということで
大ファンのボブさんに会って、なんとか糸口を見つけたいと
ファンレターを出したそうです。

それに対してボブさんは、遠い日本からのお客さんに感動し、
「NYに来るのなら、ぜひ会おう」ということで、今回の初対面となりました。

ボブさんの本『It's not who won or lost the game』には、往年の名選手をインタビューしたり、
実況中継したりしている若かりしボブさんの姿が。
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Kさんはイラストを通じて、ボブさんが伝えてきたメジャーの歴史を、次の世代に語り継ぎたいという夢を持っています。
ただ、具体的に何からやっていいのか分らない様子。

Kさんを前に、ボブさんは
「ボクはもともとプロの選手になりたかったんだけど、あいにく選手になるまでの才能がなかった。
でもエンターテインの才能はあったから、テストを受ける必要はないスポーツキャスターになったというわけ」

「ボクは求職活動をしたことがないんだ。
ただやってきたことは、
いいアイデアを考え、どうやったらスポンサーがついてくれて、お金になるかを考えてきた」

「自分のセールスポイントが何かをまずは確立し、ずっとやり続けると、
いつか何かしらの道が開けるだろう」

第一線でご活躍されている人の言葉には、含蓄がこもっている。

和やかにランチも進み、そろそろお開きかという頃になって
ボブさんからKさんに、うれしいお言葉が!

「ヤンキースやメッツのインターナショナル部門の担当者を知っているから紹介できなくもないよ。
でもそれには、まず、英語力を伸ばさないといけないね。
日本の野球界だったら、バレンタイン監督を知っているから、
キミのセールスポイントをもっと教えてもらえたら、紹介状を書いてもいいよ」と。

感無量で、言葉を一瞬失ったKさん。

アメリカでは、「it's not what you know, but who you know(何ができるかじゃなくて、誰を知っているか)」が大切なので、
これはKさんにとって、思いがけない大チャンスになるハズ!

別れ際、
「野球場で、選手が出てくるときに応援団が「ヒュ~ヒュ~」と応援するでしょ?!
僕はキミ(Kさん)の応援団だから、がんばってね」と、ボブさん。

ボブさんを見てて一つ気づいたことがある。
Kさんのために、日曜日にわざわざアップステートから車をすっ飛ばして
ランチをご馳走しに来てくださったボブさんは、優しいだけでなく、
私のような影の人間に対しても、労いを忘れない。
具体的には、とにかく褒め方がうまい。

私は特別に何かをしたという思いはなかったものの、
「すばらしい仕事の進め方だ。引き続きよろしく」と、場所決めなどのセッティングから当日の通訳まで
事ある毎に、きちんと褒めてくださった。
人はこういう人を、もっと尊敬し、サポートしたくなるのだ。

人格者であるボブさんと大志を抱くKさん。
少しでも彼らのお手伝いができたのであれば、私にとっても光栄です。

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(左から)ボブさん、奥様のジェーンさん、Kさん。
ボブさんは88歳、ジェーンさんは90歳と聞いて一瞬耳を疑いました。
二人とも、お肌もつやつやで若々しいのにビックリ。
若さを保つ秘訣は、「今でも番組を4本持って仕事をしたり、4冊目になる本を書いているから」とボブさん。
毎日忙しく過ごしているから、老けこむ時間がないようです。

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Commented by banban0501 at 2009-03-18 07:38
今日のお話は素晴らしい言葉がいっぱいでした
私もボブさんの」ことは 少しもしりませんが
若い日本の若者に 経験からでた含蓄のある言葉を
示してくださって 本当に エンターティメントな方ですね

こんな方のお話を通訳されるときも 気をつかわれるのでしょうね

88歳で車を飛ばして NYにやってくることもすごいです!

今日はとても刺激になるお話でした
私も 私なりに がんばろうっておもいました!
Commented by abekasu_ny at 2009-03-18 12:13
banbanさん

尊敬する人に会えるというのは、人の人生を変えるほどのパワーをもたらすんでしょうね。

私も10代の頃、LA在住の日本人画家にファンレターを送ったことがあります
(確か、弟子にしてくれと書いたような、、、今考えれば、とても恥ずかしい)
その時は残念ながらお返事はいただけませんでしたが、
あの時もしいただいていたら、私の人生、少しは変わっていたかも?!

ちなみに、通訳する際、まったく気を使いませんでした:)
ボブさんは人をリラックスさせる雰囲気を持っていらっしゃる方でした。
本当はすごい人なのに、全然奢っていないし、相手が誰だろうと、同じ目線で接してくださる。ここら辺が、大物たる所以ですね。

P.S. 車を運転したのは、近所に住むお友達の方(トップ写真左)で、ボブさんご夫婦ではありませんでした。
でも、言葉もしっかりしており、背筋も伸び、ランチに肉系をがっつり召し上がるところなど、本当にミラクルとしか言いようのない、88歳と90歳のスウィートなカップルでしたー。
by abekasu_ny | 2009-03-16 08:19 | 人・ひと・ヒト | Comments(2)

在NY16年目。日米でのエディター&ライター歴20年。 大きなアメリカ人の中に埋もれないよう、小粒ながら日々がんばっています!


by Kasumi Abe