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NYの住民・物書き、安部かすみによる日々のアレコレ 出会い 取材こぼれ話  小粒ながら日々がんばっています


by Kasumi Abe

チャイナタウンで働く日本人女性、Yさん(2)

(前回からのつづき)

MarilynさんとYukiさんのBody Workのオフィスがあるのは、チャイナタウン。
相変わらずの人の多さと、活気。
そして、この時期にちょっとだけ嫌な魚の生臭いにおいがたまに鼻につく。

チャイナタウンには仕事でしょっちゅう来るから、もう慣れっこだけど。。。

Marilynさんから指定された場所は、そんなごみごみした古い雑居ビルの1室だった。
入り口で呼び鈴を鳴らすと、ソロ~とドアを開けてくれたのは
中国人らしき、中年のグラマラスな女性。
「Marilynさんですか?」という私の問いかけに
ニコッともせず、上にいるというしぐさで、指をさす。
チャイナタウンには英語が話せない人がたくさんいるから、
なるほど、彼女も英語が話せなのねと思い、階段を上がって行った。

階段の途中で、中年の男性とすれ違ったが
いやにニヤニヤして、気持ち悪い視線が気になった。

そして、Marilynさんのオフィスがある3階へ。
2人の中年女性が入り口で、中国語でペチャクチャペチャクチャと騒々しくくっちゃべっていたが、
一旦話をやめて、その1人が「ちょっとここで待っててね」と言って、私を中へ通してくれた。

窓がまったくない1室。
使い古された蛍光灯が、中国人がいかにも好きそうな、
ちょっと古臭い木製の棚と観葉植物のバンブーのある時代遅れの室内を照らす。

「ここに座って」と指されたソファが、もう何年も洗濯していないような小汚いカバーがかかっており
瞬時に「座りたくない!!」と思ったが
例のMarilynさんらしき人は、一向に話をやめる風でもないので、
しょうがなく、そろりと腰を下ろした。
見渡す限り、Yukiさんらしき女性はいない。

私の疑問(3)
Body work、セラピー系で、こんな時代遅れの香りがする場所に、果たして客が来るのか?

私はチャイナタウンにもたくさんの顧客を持っていて、いろんなところを訪問しているから分かるけど
チャイナタウンで、日本人相手に商売うまくいっているのは
リーズナブルな価格帯はもちろんだが、それより何より
やはりキレイな環境で、物腰もやわらかいところ。
日本人は、いくら安くても、汚く、暗いところには行かないのです。
だから、Marilynさんが本当にうちのニュースペーパーに広告出して日本人客を集めたいと思っているのなら
まずは、日本人ウケする環境作りから指導しないと、と思い始めていた。

5分ぐらいすると、先ほど入り口を開けてくれたグラマーな中年女性が戻ってきて、
奥の真っ暗な部屋に入って、何やらごそごそとしだした。
その奥の部屋には仕切りがあるのだが、足もとだけは見える。
「Marilynさん、話いつ終わるんだろう~~?」と思いながら、
横目で、奥のビニール草履の足元をうかがう。

そのうち、奥の部屋から、グラマー女性がこちらに出てきて、
家庭用ピッチャーから水をついでくれ、何もいわずに私に「どうぞ」というしぐさでくれた。
瞬時に「飲みたくない!!」と思ったが、つくり笑いで「Thank you!」と返した。
喉も渇いていたので、ちょっとだけ口に含む。
ブリータに通したか通していないのか、ちょっとだけクセのある味がして、飲むのを止めた。

Marilynさんのおしゃべりは、私が到着して15分くらい続いたかな。。。
ようやく話は終わって、密室の中に、Marilynさんとゴム草履のグラマー女性と、3人になった。

(つづく)

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by abekasu_ny | 2010-06-09 10:18 | NYやアメリカ人についてあれこれ | Comments(0)